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Vol.06 武田圭祐

インタビュー内容は、公開時(2013年2月)のものとなります。

現在勤務されている地域生活定着支援センターでは、どのような方を対象とした支援を行っていらっしゃいますか。

地域生活定着支援センターでは、犯罪歴のある発達障害と知的障障害の方や、犯罪歴のある65歳以上の高齢者の方、警察に捕まって勾留されている方、そして起訴・不起訴に関わらず社会復帰が困難な発達障害・知的障害の方、65歳以上の高齢の方などを対象に支援を行っています。
具体的には、金銭管理のサポートや社会復帰の支援、受け入れ先のコーディネートなどが主体です。刑務所入所の方の支援は保護観察所を通じて依頼を受けることになり、警察に勾留中の方の支援は弁護士や検察庁から依頼を受けます。
今の職場には社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士といった、福祉系の資格を持っている方が在籍しています。
また、刑務所では社会福祉士の配置が完了しています。
刑務所にいらっしゃる対象者には、障害や環境上の問題を考え、出所後は施設に入りたいという方やアパートを借りて生活したいという方も多くおられますが、その中にはお金がない方もいらっしゃいます。そのような方々の生活保護や雇用保険の申請手続きの支援や年金受給資格の調査を地域生活定着支援センターの職員が行います。

武田圭祐(タケダ ケイスケ)

社会福祉学部福祉心理学科卒業(2008)
社会福祉学研究科社会福祉学専攻臨床心理学領域修了(2011)
地域生活定着支援センター勤務(臨床心理士)
※2007年に福祉心理学科を名称変更し、現在は臨床心理学科を開設。

武田さんは臨床心理士でいらっしゃいますが、地域生活定着支援センターではどのようなお仕事をされていらっしゃいますか。

最近は、対象者の精神的なストレスの緩和など、心理的なケアのニーズが高まっています。そこで臨床心理士の出番となります。臨床心理士は必要に応じて心理検査を実施し、知能検査では療育手帳の準備や、支援対象者の特性の理解に役立てます。また、高齢者で認知症の疑いがある方には認知症のスクリーニング検査を実施する場合もあります。

対象者の方によって、必要な支援を行う施設はまちまちです。ひとりひとりがどのような支援を必要としているかを見極め、必要な支援を行ってくれる受け入れ先を探すのも、地域生活定着支援センターの職員の業務です。
例えば、対象者の方が社会復帰や施設での受け入れ準備が整うまでは、救護施設(生活に困窮している方を受け入れる施設)や更生保護施設を紹介し、一定期間そこで生活してもらいます。自立して生活するための準備や日常生活に慣れてもらいます。

ほかには、職業訓練施設と連携して対象者の就職サポートや、対象者の方が脳性まひなどの障害を抱えていらっしゃる場合、リハビリを行っている専門施設を紹介しています。
また、刑務所にいらっしゃる方が対象の場合は、刑務所内の刑務官や社会福祉士と連携しながら、「CAPAS」という知能検査の結果や、出所後の帰住先があるか、支援者の存在の有無などの状況から刑務所にピックアップしていただき、どのような福祉支援を行うかの希望を聞くようにしています。

刑務所とも連携を取るというのには驚きました。臨床心理士として働いていて、特に印象深いことや、やりがいを感じるところはなんでしょうか。

現在の職場にくる以前は、病院の精神科で患者さんのカウンセリングの仕事を主に行っていました。今振り返ると、当時の私は、福祉というものがまだどういうものなのかはっきりとわからないまま働いていました。
そんな時、最初に就職した病院で福祉の職員、ケアワーカーの方と交流会があったんですが、そこで聞いた彼らの「人の生活をケア・サポートする」という福祉の視点は、私にとってとても新鮮に感じるものでした。同時に、医療から福祉、福祉から医療とのパイプ役が自分の携わる仕事なのではないか?と考えたんです。

同じ「心のケア」を行うという点で、臨床心理士と精神科医には共通したものがあります。精神科医は患者さんの症状の診断、投薬、診察が主な仕事になりますが、それに対して臨床心理士は相手の症状の原因として、家族関係や生活歴などから要因を考えたり、カウンセリング、心理検査を実施すること、または他の福祉関係の支援者と連携を図ったりと、とても幅広い仕事なんです。
刑務所から出て身寄りのない方が、穏やかな生活を送れるよう支援を行っていますが、自分が担当した方から、支援を行ったことを感謝されたりすると、とてもやりがいを感じますね。

武田さんが臨床心理士という仕事を目指したのはいつのことですか。また、きっかけは何だったのですか。

高校生のときですね。精神的に困っている友人がいて、彼の色々な相談にしばしば乗っていたんです。その際に、人の悩みや相談を聞く職業として、「臨床心理士」の存在を知りました。
その上で、臨床心理士の資格取得ができること、また心理と福祉の双方をあわせて学ぶことができる大学ということで、花園大学に進学しました。

臨床心理士の資格取得ができるかが花園大学を選ぶポイントだったのですね。資格所得の上で覚えておくべきことはありますか。

臨床心理士は、財団法人日本臨床心理士資格認定協会の資格試験に合格して取得できる資格です。試験内容は筆記試験と面接試験がありますが、受験するには、大学院修士課程を修了することが必要となってきます。資格試験は大学院を卒業した年の秋に行われます。
臨床心理士の資格があれば、将来役立てられる分野はとても幅広いですし、就職口の幅はかなり広がると思います。

大学生活で思い出に残っていることや、印象深いことがあれば教えてください。

大学時代で特に思い出深いのは、特別養護老人ホームにボランティアで出向いたことですね。そこで出会った高齢者の方々は、皆それぞれが「人生の終わりの時間の使い方」を実践していらっしゃって、とても感銘を受けました。自分は相手を支援する立場ではあったのですが、高齢者の方々との交流は、自分自身が仕事に対して初めて満足感を得た体験でした。

教わった先生で特に印象深かったのは橋本和明先生です。
この先生にはほめられた記憶がありません(苦笑)自分が担当したカウンセリングのケース資料をカンファレンスに提出するのですが、その都度たくさんダメなところを指摘されました。修論へも駄目出しがすごくて、厳しい意見をかなり言われましたね。
とにかく大変熱い先生でした。でも今思えば、橋本先生の教えが最も学びにつながっている気がします。

大学での経験で、特に現在役立っていると思われることはありますか。

カウンセリングの実地経験がもっとも役に立っていると思います。

花園大学には、一般の方も利用できるカウンセリングセンターがあります。花園大学の大学院では、大学院生が一般の方に対してカウンセリングなどを行うことができ、セラピストとしての現場経験を積むことができました。
臨床心理士の仕事ではどの職場でもカウンセリング能力が問われるのですが、カウンセリングの経験を実際の仕事と同じ形で積むことができるのは、花園大学のカウンセリングセンターだからできることだと思います。
また、スーパーバイザー(大学院の先生)の指導やアドバイスも、大変参考になりました。この他にも、豊富な実地経験は、現在に活かすことができていると思います。

受験生の皆さんへ

花園大学のいいところは、とてもアットホームな環境であることです。先生との一対一のコミュニケーションの機会が多いですし、何より実践の場も多いので、濃密な勉強の体験ができると思います。
また、家庭裁判所の調査官などほかではなかなか出会えないような色々な経歴を持つ先生がいらっしゃるので、経験を通した指導を受けられるのも大きなポイントです。
福祉や心理学を学びたい高校生や、大学院に行って臨床心理士の資格を取って臨床心理士として働きたいと考えている方には最適の大学だと思います。ぜひ、花園大学で第一歩を踏み出してください。

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