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Vol.09 藤本信吾

インタビュー内容は、公開時(2013年2月)のものとなります。

精神保健福祉士でいらっしゃる藤本さんですが、現在どのような仕事をされていますか。

京都の内浜診療所で精神科の相談員をしています。精神科所属の職員は自分ひとりなので、外来の受付から相談支援まで全般に携わっています。特に、相談支援は精神保健福祉士の仕事の中でも重要なものです。医療と地域生活の橋渡しの存在として、外来で来られる方の生活の困り事から病状の相談まで対応しています。また、相談者が病的な症状であると判断した場合は、精神科の医師と連携して治療にあたっています。

現在の職場の魅力や仕事でやりがいを感じることは何ですか。

この仕事をしていると、人との接点がとても密になりますね。患者さんの年齢層も17歳~80歳くらいと、非常に幅が広いのも特徴だと思います。
一番やりがいを感じるのは、患者さんの生活全般の相談に乗れることでしょうか。また、人と関わるのを嫌がっていた人が、相談をしているうちに徐々にこちらに心を開いてくれ、最後に感謝の言葉をかけてもらえると、本当に嬉しいです。

藤本 信吾(フジモト シンゴ)

社会福祉学部臨床心理学科卒業(2012)
内浜診療所勤務

精神保健福祉士の活躍の場は他にどのようなところがありますか。

病院や診療所のほかには、作業所や福祉事務所、司法機関などが挙げられます。患者さんの病状の程度によって必要な相談内容が変わるので、それに応じて臨機応変な対応が必要になります。
私の場合は、人と関わることが好きだったので診療所を選びました。病院より診療所のほうが患者さんとの関係性をより密にできるように感じたんです。

精神保健福祉士になるにはどんなことが必要になりますか。

精神保健福祉士となるには、大学で必要な講義を受け、国家試験の受験資格を取得する必要があります。また、社会保健福祉士の受験資格も必要なので、そちらの勉強も大切になってきます。
花園大学の社会福祉学部では、社会福祉士や、精神保健福祉士の資格取得のための講義がどちらも用意されています。また、特殊学校教諭など他の資格のための講義もあります。自分の取得したい資格にあわせて、1,2回生の早い時期から必要な講義を計画的にとっていく必要があります。

資格取得のための専門講義が揃っているのは、花園大学の大きな強みのひとつですね。その中で藤本さんが精神保健福祉士を選んだのはなぜですか。

精神保健福祉士の方が、人に積極的にアプローチしていける仕事だと感じたからです。
精神保健福祉士は行政の方と取り組む仕事が多いのですが、その一環として地域を見て回り地域の人々と関わる機会があります。また、窓口となる保健センターと行政が連携する枠組みもあるので、一般の外来の人から情報を収集して仕事を行うこともできます。
ほかの仕事の場合、受験資格を得るまでに時間がかかるものや、なかなか一般の方と触れ合ってヒアリングを行う機会がない場合もあります。その点においては、精神保健福祉士の方がより多く人と関わる機会を持ちやすいように思います。

なるほど。花園大学では具体的にどのようなことを勉強されていらっしゃいましたか。また、現在に役立っていると感じることはありますか。

精神保健福祉士の受験資格を得るための講義は、精神科でのリハビリテーションにおける実践的なクラスや精神保健の歴史、精神保健における法律などの講義がありますね。
精神保健福祉士は病気を持った人を対象にする仕事ですが、大学での講義を通して、病気だけを取り上げて考えるのではなく、その人そのものを捉えて関わっていくことが重要であると学びました。
例えば、風邪をひいていたとしても、風邪だけに焦点を当てて治療するのではなく、その人のパーソナリティとも関わりながら治していく、そんなイメージです。
また、実習の間はずっと記録を取っていくようにしていました。何度もそれを読み返し改善点を見つけていくよう振り返りを行うことで、次に活かすことを学び取っていくという経験は、仕事をする上でも役立っています。

藤本さんにとって、特に印象に残っている先生はいらっしゃいますか。

ゼミの顧問だった三品桂子先生との関わりは思い出に残っていますね。
「相手を患者さんとして捉えるのではなく、同じ地域に住んでいる住人として、ともに関わっていく心構えが必要である」と、三品先生は仰っていました。
また、「精神保健福祉士が処方できるのは薬ではなく言葉である」ということも先生は仰っていました。薬が処方できないからこそ、相手にかける言葉の表現ひとつひとつが大切になってくる。そして、色んなことを経験しておかないと、相手のためになるような言葉は出てこない。精神保健福祉士として、とても大切なことを三品先生からは学ばせていただきました。

また、三品先生にはボランティアの紹介でもお世話になりました。
先生の紹介で、精神の保険看護を積極的に行っているある団体に学生ボランティアとして参加したことがあったのですが、その団体は重度の精神障害者相手に往診と訪問看護を専門に行っていました。対象となる人たちは、何年も部屋に閉じこもっている人など、人と関わることが大変難しい人が多くいました。そんな方には、いきなり知らない人間が顔をあわせても不安にさせてしまいます。焦ることなく序々に関係を構築していくことが大切になってくるんです。
半年間の勉強会と現場実習を行ったのですが、訪問看護の難しさと大切さを肌で感じるとても大きな経験でしたね。

大学での学びや経験が、今の藤本さんにとってとても有意義なものになっていることが伝わってきました。この先について、やってみたいことや目標はありますか。

今勤めている診療所でも、最近訪問看護の動きが始まったところです。
まだこの職場の精神科自体も立ち上がったばかりなのですが、その分、精神保健福祉士として非常にやりがいのある職場であると感じています。
患者さんの話を聞くだけでなく、一緒に買い物行ったり掃除をしたりというのも仕事のひとつ。精神保健福祉士がやるべき仕事は非常に幅広いものです。
自分が人のためにできることはまだまだある。今までの経験を生かして、新しいアプローチに挑戦していきたいですね。

受験生の皆さんへ

花園大学では先生とゼミ以外の時間を過ごす時間が多いんです。お茶を飲みながら、ゼミ、実習、講義に日常の話など、公私の出来事を交えて話せるような機会が結構あります。
自分の経験したある出来事を話したときに、先生によって違う意見を得られるのはとてもいいことだと思います。同じ話題でもある先生は肯定的に捉え、またある先生は率直なフィードバックをくれる。色々な視点から意見を得ることは、自分の学びにも確かにつながります。
講義だけではない、友達同士や先生など、何気ない日常会話の中でも、色々な「学び」があると思います。そういった機会を大切にして、オン・オフともに充実した時間を大学で過ごして欲しいですね。

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