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Vol.12 熊澤鮎美

インタビュー内容は、公開時(2013年5月)のものとなります。

現在のお仕事について教えてください。

京都府八幡市の京都府立八幡支援学校という特別支援学校の小学部で、教員をしています。
特別支援学校には、さまざまな障害を持つ子どもたちが通っています。年齢によって、小学校にあたる小学部があり、その上に中学部、高等部があります。小学部は重度の障害を持っている子どもの割合が多く、高等部になると企業就労をする子もおり、障害のレベルが幅広くなります。また、肢体不自由(体の一部が欠損、麻痺などでうまく動かせないなど)の子から知的障害、聴覚障害や自閉症の子など、様々な障害を持つ子どもが在籍しています。
八幡支援学校の小学部には約30名の児童があり、学校全体で約100名の児童がいます。京都府立八幡高校南キャンパスが隣接しているので、八幡高校の生徒との授業交流(年2回)や一緒に昼食をとる昼休み交流などの交流活動があります。交流活動がきっかけで、「特別支援学校で働きたい」と花園大学に入学した高校生もいます。
特別支援学校の生徒はさまざまな問題行動を示すことがあるので、最初は「変わった子だな」と感じるかもしれませんが、接しているうちに気持ちが通じて相互理解ができるようになります。そんな子どもたちと関わることが楽しく、やりがいにもつながっています。

熊澤 鮎美(クマザワ アユミ)

社会福祉学部臨床心理学科卒業(2009)
京都府立八幡支援学校・小学部勤務(特別支援学校教諭)

特別支援学校ではどのような授業をされているのですか。通常の学校とはどのような違いがあるのでしょうか。

「遊び」の授業が多いですね。と言っても、ただ遊んでいるのではなく、遊びを通して子どもたちに生活で必要なことや社会の基本的なルールを教えています。
例えば、竹筒や水車で作ったコースにビー玉を転がす遊びなら「順番通りにものごとを行う」「先のことを予想する」「決められた場所にものを置く」ことを、築山にブルーシートを敷いて作ったウォータースライダーを使った遊びでは、「決められた位置まで自分で登る」「定位置で滑る順番が来るまで待機する」「滑り終わったあと、もう一度やりたいときは意思を相手に伝える」ことを教えています。
また、子どもたちそれぞれの足りていない部分を把握して、それを補うための授業内容を考えることもあります。この他、子どもたちがやる気になり、みんなで楽しく過ごせるような授業をするために、子どもたちがどんなことに興味があるのか日々調べています。もっとやりたい、楽しみたいという気持ちが芽生えることは、子どもが成長できるスイッチなんです。

特別支援学校で働く上でのやりがいはなんですか。

子どもたちと一緒にいることがとても楽しいんです。始めのうちは、物や食べ物を投げ飛ばしたり、落ち着きがなくて机の上をバンバン叩いていた子が、教えていくうちに、かばんを机のフックにかけたり、物を片付けたりできるようになります。そして、一年間を通してみていると、少しずつ少しずつ成長していることがわかるんです。一般の基準で見れば本当に小さなことと思われるかもしれませんが、特別支援学校にいる子どもたちにとっては、とても大きな成長です。その成長の積み重ねを肌で感じられることはとても幸せです。そして子どもたちの成長を保護者の方と共有できることも、やりがいに繋がっていると感じます。
「特別支援学校の教育」では、今できることをいかに延ばしていくかが大切になってきます。各年代で段階を踏みながら、子どもたちが将来社会で生活していける力を身につけられるように教えていく。その成果が感じられたときは本当に嬉しく思います。

熊澤さんが今のお仕事を選んだのはどうしてでしょうか。

元々、福祉に関わる仕事をしたいと思っていました。家族に障害を持つ人がいて、将来助けになりたい、支えられるような人になりたいと思ったんです。
そこで福祉の勉強ができる花園大学を選んだのですが、正直な所、教員を目指そうとは思っていませんでした。
でも高校を卒業する時に、先生から「難しく考えず、色々なことに挑戦してみなさい。色々な資格を取りなさい」と言われました。そこで、花園大学なら特別支援学校教諭の資格も取れるし、やってみようと思ったわけです。
花園大学で出会ったのが、今もお世話になっている渡邊実先生でした。私が大学1年生のとき、渡邊先生が「小学校のボランティア活動をする人が足りないから、行ってみなよ」と声をかけてくれました。そのボランティアが本当に楽しかったんです。
ボランティアで行った小学校には、特別支援教育でとても有名な先生がいらっしゃって、子どもへの接し方や教え方を直に教えていただくことができました。保護者の方も「この先生のおかげで子どもが成長した」とよく仰っていました。それで、私もこの先生のようになりたいと強く感じて、教員の道を目指すことにしたんです。

特別支援学校の先生になるにはどのようなことが必要ですか。

大学では、通常の教員免許取得の講義や福祉に関する基礎勉強に加えて、特別支援学校教員免許のための科目も受ける必要があります。正直すごく大変ですね。私も、地歴公民の免許に加えて特別支援学校の教員免許を取得しました。通常の倍以上の単位を取らなければならないので、「先生になりたい」という強い意志と覚悟が必要だと思います。

熊澤さんはその強い意志を持って乗り越えられたのですね。そんな大学生活のなかで、特に印象に残っている先生や授業はありましたか。

私が今の仕事を選ぶきっかけを作ってくれた渡邊実先生です。ゼミも渡邊先生に師事しました。ゼミは10名ほどの少人数でしたが、先生は現場での指導経験が豊富で、実際の体験についても色々お話してくださいましたし、卒業後の今も先生にはお世話になっています。今の職場での私の様子を時々聞いていらっしゃるようで、状況を知った先生から「大変そうだけど大丈夫か?」と電話をしていただき、どのような授業をしているかを話したり、アドバイスをもらうことがあります。渡邊先生は教育実習の時も1日目から様子を聞いてくださったり、早いうちから実習現場に様子を見に来てくださいました。就職してすぐのうちからアドバイスやサポートを積極的にしてくださり、精神的にもとても助けになりました。
在学中はもちろん、卒業してからも先生が学生をしっかり支えてくれる環境があることは、花園大学の良いところだと思います。
もう一つ印象に残っているのが、大学で所属していたボランティアサークルの繋がりで参加した、グループホームのお手伝いです。グループホームは、知的障害のある人が一人暮らしを目指して日常生活を送るための訓練をする施設です。授業の後にグループホームへ行き、入所者の方と一緒にご飯を食べて翌朝まで共に過ごしたり、グループホームから学校へ行くことを週2,3回くらいの割合でしていました。一緒に暮らしている感じでしたね。

花園大学の特徴はどのようなところだと思いますか。

先生や学生同士でも顔見知りが多く、互いに距離が近いですね。また、立地の良さもあってか、花園大学は学外で活動するサークルも多く、他の学校の人とも交流でき、人脈や視野が広げられます。私も他の大学に行ってボランティア活動のお手伝いをしていました。花園大学の学生は、学外の知り合いも多いように感じますね。花園大学は学生の数が少ないので、積極的に外に出て色々な人と一緒に活動する傾向があるように思います。今まで知らなかった分野の人とも出会い、話をすることができるのはとても刺激的ですし、良い勉強になります。

大学時代に学んだことで、社会人になって役立っていると感じることはありますか。

指導案を作る時に、具体的にどうしたらいいか講義で学べたことは、今も役立っていると感じますね。ただ、正直大学のときは勉強をあまり意識していなかったところもあるので、今になってもう一度勉強し直す場合もあって、ちょっと苦労していることもあります。教師という仕事は、日々勉強を続けなければいけない仕事だと思いますし、学生のうちにきちんと基礎を固めておくことは大事なことだと思います。

受験生の皆さんへ

特別支援学校は、子どもたちと密に関わり、成長を近くで見られる職場ですし、とてもやりがいのある仕事だと思っています。そんな仕事に出会えたのは、花園大学に来たからです。花園大学に入って渡邊先生に出会っていなければ、今の私はいません。先生に誘っていただいたボランティアに参加した際に、子どもたちと夢中になって一緒に遊んでいたことがあったのですが、渡邊先生に「これが楽しいと思えるなら、君にとっての天職だよ」と言われました。その言葉が、今の私へと導いてくれました。そんな先生に出会えた花園大学は、人生を導いてくれる「出会い」のある学校だと思います。 未来の素敵な自分に導いてくれる「出会い」を、花園大学でぜひ見つけてください。

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