先生に聞いてみよう
(中編からの続き)芳井敬郎先生のインタビューの続きです。後編では、民俗学の醍醐味を語っていただきます。
芳井:10年も20年も前の話ですが、関西一円の年寄りは「毎日が祭りや」と言ってましたよ。これわかりますか?
Q. どういうことでしょうか?
芳井:「祭り」ということはどういうことかというと、お金を出して買ってきたものを食べることのできるのが、祭りの日なんですよ。
例えばですね、今の若い人たちにはおいしくないと思うかもしれませんが、高野豆腐凍り豆腐なんて言いますがは寒いところでないと昔できなかったんです。氷点下にならないと凍らないですからね。高野豆腐というだけあって、高野山の近所はたいへん寒いわけで、そこでできるわけですね。そんなものは、一般的には祭りの日にしか食べられない。
(前編からの続き)芳井敬郎先生のインタビューの続きです。中編では、先生のフィールドワークのご経験についてうかがいます。
Q. 具体的にはどのようなフィールドワークをされたんですか?
芳井:例えばですね、ここに『織物技術民俗誌』という本を持ってるんですけど、これは私が12年ぐらいにわたってフィールドワークしたことを書いたものです。この本には、明治の30年代とか、もっと前では20年代の終わりに生まれたお年寄りとかがでておりまして、ここに出ている木綿織をやっていた福知山市の川口さんという方には、親切にしていただきましたよ。この中の写真の人たちは、全員亡くなってますね(笑)。
しばらく間が空いてしまいましたが、インタビューを再開します。今回は文化遺産学科で民俗学を担当される芳井敬郎(よしい・たかお)先生です。
Q. 最初に、先生のご専門を教えて下さい。
芳井:私は、日本民俗学という学問を専攻しています。高校生の諸君には民俗学と言っても聞き慣れないものでしょうから、ちょっと説明いたしますと、日本の伝統的な生活文化について研究するわけです。だから、民俗学は歴史学の分野の一つですが、古代、中世、近世、近現代なんていう時代区分によって歴史的事実を明らかにする、時代別の分野と異なりまして、年代がはっきりわからないものが研究対象になったりします。逆に、世間で飛び抜けてびっくりするような出来事、とか、そういうものは一切扱わないんです。
来年度から史学科は日本史学科に名称変更します。日本史学科で近現代史を担当される予定の松田敬之(まつだ・たかゆき)先生に、お話をうかがいました。

カゾク制度を研究
Q. よろしくお願いします。早速ですが、先生のご専門を教えて下さい。
松田:松田と申します。専門は前近代・近代移行期の歴史、そして近現代史ですと、カゾク制度の研究を主なテーマにやっております。
Q. カゾク制度って具体的にどんなんですか?
松田:「家族」ではなく「華族」の方ですけれども…(笑)
Q. あー(笑)すいません。
松田:前史である近世の公家や武家、寺社社会をも包括的に、この「華族」身分と「家」制度についての研究をしております(笑)。たとえば、高校の教科書に必ず出てくる著名人であれば、伊藤博文、山県有朋、大隈重信、板垣退助そういう人たちは皆、華族になっております。
(前編から続く)
Q. 文化遺産学科には、考古学だけでなく美術史学、民俗学などのいろいろな分野がありますが、入学したらどんなことが学べるんでしょう?
高橋:文化遺産学科は、これからの花園大学の一つの目玉、中核になると思っています。いずれも実際に技術を身につける必要があるというのが、文化遺産学科の各領域に共通してあると思います。
その中で、考古学に必要な発掘調査に関わるもの、あるいは出土品の整理のために身につけなければいけない方法、手法は、私がきちっと教えていこうと思っています。考古学の調査の現場に立てる素養は学部4年間のうちにしっかり身につけて、もっと深く研究したい人は、大学院でもできるようにするつもりです。
